皆様、お久しぶりです。
1ヶ月の予定が、2ヶ月もかかってしまい、申し訳ありませんでした。
肝心の休んだ理由ですが、今もって終わっていません。
しかし、今私がこのコラムを書かなければならないと感じ、再開した次第です。
私事ですが、長年会っていない古い友人が、ある罪を犯して捕まりました。
夢を一直線に追いかけるその友人は、私にとっての目標のような存在でした。
「でした」ではないですね、「今も」です。
なぜ友人が罪を犯したのか、なぜ友人が誘惑に勝てなかったのか、話す手だてがない今は全く分かりません。きっとそれを知るのは何年か先になることでしょう。
ただ私は、その友人のかつての行動に勇気を貰いました。時々テレビに映る姿を見ては、自分のことのように嬉しく思っていたのです。
そんな彼が罪を犯しました。
なぜでしょう?
いや、「なぜ」は大事ではないのです。
理由を追及したとて、「今」は変えられません。
「これから」が大事なのです。
きっと彼は罪を償ったあとも、世間の冷たい目に曝されるでしょう。
回りが全て敵に見えてしまうでしょう。
でもそれは違うのです。
あなたには両親がいて、かつて夢を語り合った友が居るのです。
その存在を忘れないで下さい。頼れる人は必ず身近にいます。
そして私は、いつでもあなたの力になりたい、そう思っています。
夢を追い続ける一人の友人として、待っています。
罪を償ったあとも、きっと彼は「夢」を捨てては生きられないでしょう。
しかし罪を償ったからと言っても、もう戻れません。
彼の侵した行動が、ひとつの夢を永遠に叶わないものとしてしまったのですから。
でも思い出して下さい。
映画の話をする度に瞳を輝かせていた、あの少年時代を。
今回のコラムは、その友人に捧げます。
この映画は一人の少女が「母の死」から立ち直り、ひとつの大きな目標をやり遂げる話です。
映画としては良くある題材です。実際はこんなに美しい物語だけでは終わらないはずですが、それでも観る者は己の体験のように気持ちを高揚させ、時には涙して、映画と一体になっていきます。
なぜかは大事ではないのです。
あえて言うなら、それが映画の魔法なのです。
物語を説明すると・・・
オープニング、夜、雨降るニュージーランドを走る一台の自動車。
運転席の母親と、助手席の娘「エイミー」が楽しそうに会話をしています。
しかし突然目の前に現れた暴走トレーラー。
二人の乗る自動車は横転、救出され救急車に乗せられたところでエイミーは気を失ってしまいます。
目覚めたのは病院のベットの上。10年も会っていない父が寄り添っていることに困惑します。
そして母の死を知るのです・・・
父の暮らすのはカナダ。エイミーはここで生まれ、離婚の結果母に引き取られ、この地を離れていったのです。
そんなエイミーが再びカナダで暮らすことに。
世界狭しとあちこちを回っていた生活は一変、エイミーは母の死のショックも重なり、息の詰まる日々。
しかしそんなエイミーの前にあるひとつの出来事が起きるのです。
伐採された森林から拾ってきたグースの卵が孵り、雛になったのです!
エイミーと16羽のグース達の楽しい日々は、こうして始まりを迎えます。
詳しい解説はここまでにしておきましょう。
エイミーは、鳥たちの母になることで大きな悲しみを乗り越えます。
そこには大きな責任も生まれるわけで、彼女にとってはひとつの冒険でもあります。
不器用な父と行動を共にすることによって、失われた絆も徐々に深まります。
でもここで思い出して下さい。
何が重要でしょうか?
父とグースを連れて旅立つこと?いいえ違います。鳥たちの母になること?それも違います。
そうなんです、何事にも切っ掛けがあるのです。
この映画の場合、エイミーがグースの卵を助けたことから全てが始まります。
そう、重要なのは行動を起こすことなんです。
どんなに辛いことや、どんなに悲しいことがあっても、行動を起こさなければ乗り越えることは出来ないのです。
だから思い出して下さい。
どんな時にも、動き出す勇気を忘れない下さい。
私がこの作品を初めて観たのはビデオでした。
今回はDVDを購入したのですが、ある発見をしました。
それは、カナダの自然の美しさ、です。
綺麗な夕焼けや、美しい湿地、そして風のそよぐ草原。
DVDでなければ味わえない臨場感と感動を、味わうことが出来ました。
そしてそのおかげで、以前にも増して感動の涙を流すことが出来たのです。
一生懸命に生きる人の姿は美しいものです。
どうか、この映画を観たあなたも、そのことを忘れないで下さい。
そして、この映画が、あなたの忘れかけていた夢を思い出させてくれることを願います。
さて、感動作の余韻にひたっている皆様、大変申し訳ございません。
次回は思いっきり趣向を変えて、ホラー映画をお贈りします。
でもただのホラーでは終わりませんよ。
きっとあなたを引き込んでくれることでしょう。
次回は、最近マンネリ気味と言われているホラーの中では異色な作品、「TATARI タタリ」です。
レンタル店にも在庫はあるはずですし、DVDは現在2000円の低価格で再発売中です。
大いにネタバレしながらコラムを書きたいと思っていますので、是非是非ご覧になってから、このコラムに挑んで下さい!
9月末にまたお会いしましょう!
それでは、また!
1996年アメリカ映画 106分
監督 キャロル・バラード
脚本 ロバート・ロダット
ビンス・マックイン
原案 ビル・リッシュマン
音楽 マーク・アイシャム
出演 アンナ・パキン ジェフ・ダニエルズ ダナ・デラニー テリー・キニー