2005年5月30日月曜日

サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS その3

「サトラレ」の第3回です。

今回は、音楽、編集、ある特徴、監督について語ろうかと思います。

まずは音楽から。

この映画の音楽は渡辺俊幸さんが作曲されています。渡辺俊幸さんと言えば、最近は誰の目(耳?)にも止まるような活躍をされています。

一番近い所で言えば「愛・地球博」開会式での音楽監督、ちょっと前だとさだまさしさんの映画「解夏」の映画音楽を作曲、大河ドラマ「利家とまつ」やNHKドラマ「大地の子」等々、書き始めたらキリがない程です。

そうそう、このコラムで以前取り上げたさだまさしさんの「長江」も服部克久さんと共に担当されていました。

渡辺俊幸さんの音楽は、オーケストラで演奏されるスケールの大きなもの、と言う印象がありますが、「サトラレ」もその部類に入ります。

日本映画では、余程のベストセラーを原作に持ったりとか、海外でも名の知られた監督作品でもない限り、なかなかオーケストラを使った映画音楽にはお目にかかれません。私の印象から言えば、日本の映画音楽はまだまだ色づけ程度の地位しか与えられていない気がします。

この「サトラレ」では、スケールの大きな音楽が、まさにピッタリとはまっています。恐らく、打ち込んだだけの音楽や小編成の楽器だけでは、この包み込むような感動を造り上げる事は出来なかったでしょう。それくらいに渡辺俊幸さんの音楽は重要な位置を占めています。

しかしこの映画の凄い所は、音楽だけが前面に押し出されているようにも見える(聞こえる)のですが、決してそうではないのです。物語の展開にしっかりとシンクロしているだけではなく、前回のコラムで取り上げた役者の演技、そして切れの良い編集、その他全てが絶妙なバランスを保つように協調しているのです。この辺りのバランスは、現在公開中の「交渉人 真下正義」にも、しっかりと生かされています。(こちらはオーケストラ編成の曲は少ないですが・・・)

これは人を上手く使える監督だけが成せる技である、と言えるでしょう。

この映画を見ていて、あなたは音楽に何かを感じませんでしたか?

有名な映画音楽には良くある事なのですが、「サトラレ」のサントラは今でもTV番組などでひっそりと使われているのです。単体の音楽としても成り立つ、立派な音楽作品である証です。

映画音楽に凝っている人は少ないとは思いますが、凝っていると色々面白いですよ。

TVを見ていて「あっ、これ××だ!」なんて、私にはしょっちゅうです(笑)


ちょっと話が脱線してしまいましたね。

次は編集について語りたいと思います。

編集を担当されているのは、田口拓也さん。私は最近知ったのですが、本広監督とは古い仲だそうです。

再放送はないかも知れませんが、スカパー!!で放送されていた「真下正義チャンネル」のあるコーナーでその辺りの昔話を多々聞けます。「古い仲なのになぜ、監督デビュー作を担当していないのか?」等々。

ここで書けないのが残念です。

さて、音楽でさえあまり目立たない存在の日本映画界にとって、編集者の名前を気にして映画を見る人はごく僅かだと思います。なので私はあえて、田口拓也さんを取り上げたいと思うのです。

日本アカデミー賞で2度、優秀編集賞を受賞されています。最初は山崎貴監督「リターナー」、次は本広監督の「踊る〜2」。どちらも切れのある、無駄のない編集です。

今までの日本映画と言えば、「間」を大切に残した編集が主流を占めていました。アクション作品にもです。これが日本映画臭い理由のひとつだと私は思うのですが、田口拓也さんの編集は、日本映画にはなかったテンポの良さが生きています。無駄は一切無く、妥協のない編集。恐らく現在公開中の「交渉人 真下正義」では、日本アカデミー賞の最優秀編集賞を受賞するでしょう。それくらいに無駄なく、スピード感があり、なのに疲れない、立派な編集を見る事が出来ます。すでに「交渉人〜」をご覧になった方はどう感じましたか?作品が面白かったかどうかは人それぞれだと思いますが、恐らく殆どの人が、2時間強の映画を1時間ちょっとにしか感じなかったでしょう。

それが「編集の成せる技」なのです。いくら素晴らしい撮影や演技があっても、編集に無駄や隙があると、それだけで駄作になってしまいます。それ程に、編集とは大切なものなのです。

以下に田口拓也さんが編集を担当された映画を幾つか記しておきますので、思い出してみて下さい。もちろん内容、ではないですよ。時間がどのように感じられたか?ですよ。

「nin×nin 忍者ハットリくん THE MOVIE」

「恋人はスナイパー 劇場版」

「スペーストラベラーズ」

「サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS」

「メッセンジャー」

ちなみに私は、どの編集が好きかと聞かれたら、「メッセンジャー」と「サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS」です。「恋人はスナイパー 劇場版」は未見です。


次は本広監督の最近の作品に見られるひとつの特徴について。

それは「働く男の美しさ」です。

「(1)踊る大捜査線 THE MOVIE」「(2)サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS」「(3)同2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」「(4)交渉人 真下正義」で、憎らしい程に格好良く描かれています。

映画ではありませんが、2001年にフジテレビで放映されていた「アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜」のパティシエなどもそうですね。

(1)(3)では警察と呼ばれる組織内の様々な部署、(4)では線引き屋等の地下鉄職員やオーケストラの指揮者、そして(2)では警護局の局員達や、医者。

もちろん美しさを描くためには、より本物らしくなければなりません。こだわって造っているからこそ、リアルな情熱が伝わってくるのです。

「サトラレ」では病院内の殆どはセットだったのですが、実際の医療機器が使われたそうです。

まさに「こだわり」が生んだ「らしさ」ですね。


最後に本広監督について、ほんの少しだけ語りたいと思います。

(今までにだいぶ語ってしまったので・・・)

TVドラマ等で活躍後、「7月7日、晴れ」で映画監督デビュー。2005年5月現在7本の映画が劇場公開され、どれもがヒット。現在8本目の上映が8月に控えています。

監督の描く映画には共通している事があります。

「観ている者を楽しませる」工夫と苦労を惜しまない事です。もしかしたら全く苦しまずに楽しんで造っているのでは(そんな事は絶対に有り得ないと思うのですが・・・)と思える程に、エンターテイメントなのです。そしてその形は、どんどん素晴らしく研ぎ澄まされ、現在公開中の「交渉人 真下正義」ではひとつの完成系に達したとも言えるでしょう。

新しく本広映画に出会った人にとっては立派なパニック映画であるのに、古くからのファンにも決して飽きさせない細かなこだわりを随所に散りばめ、最後には満足させてしまう。

とにかく、素晴らしい映画を生み出す日本映画界の貴重な存在です。

次の作品が楽しみです。そしてそのさらに次は、一体何をしてくれるのでしょう?

期待が決して消える事はありません。

私はそれ程に、映画監督 本広克行 に魅せられてしまいました。


あなたには、そこまで好きになってしまった映画監督はいますか?


さて本広監督作品の中でも「踊る〜」の1・2はコラムでは取り上げません。

理由は幾つか有るのですが、この2作品に関しては私よりも遙かに愛している人が沢山いるからです。私が語らずとも、様々な評価を見る事が出来るでしょう。

ですから、取り上げない事をどうかご了承下さい。

その代わり「交渉人 真下正義」のDVDが発売された時には、熱く熱く語らせて頂きます。

もちろん「踊るシリーズ」としてではなく、パニック映画として、ですよ。


書くのが遅くなってしまいましたが、本広監督は四国、香川県の出身です。

最近、四国は映画の舞台として脚光を浴びています。

「世界の中心で愛をさけぶ」などもいずれコラムで取り上げたいのですが、これも四国です。

次回のコラムは、そんな四国でも愛媛県が舞台になった青春映画(古くさい表現ですが、これがピッタリとはまるのです!)、

磯村一路監督作品「がんばっていきまっしょい」を取り上げます。

作品自体、あまり有名ではありませんが根強いファンに愛され、監督としてのキャリアも長いだけあって、独特の空気を感じさせる立派な映画です。そうそう、さだまさしさんの「解夏」の監督もされています。

レンタルを探すのはかなり厳しいかも知れませんが、実はのこの映画7月よりTVの連続ドラマとしてスタートするのです。

おそらく近日中に劇場版もTV放映される事でしょう。

ちなみにDVDも発売されていますが、期間限定品だったようです。現在入手可能かどうかは分かりません。

でもTVの人気次第では、きっとまた発売されるはずですので、いつか観る機会もある事でしょう。


それでは、また!


2001年日本映画 130分

監督   本広克行

脚本   戸田山雅司

音楽   渡辺俊幸

主題歌 「LOST CHILD」 藤原ヒロシ+大沢伸一 feat.クリスタル・ケイ

出演   安藤政信 鈴木京香 寺尾あきら 八千草薫 松茂豊 内山理名

2005年5月16日月曜日

サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS その2

「サトラレ」の第2回です。

この映画は2001年3月、桜の季節に劇場公開となりました。

映画のエンドロールに名前の載っているスタッフの方から聞いた(正確に言うとメールで)話しなのですが、この季節に公開する事は当初から決まっていたそうで、そのスケジュールに合わせて様々な作業が進んでいったそうです。

はじめてこの映画をスクリーンで観たときに、その年の興行成績ベスト上位に食い込める作品と感じました。もっと宣伝して、口コミで素晴らしさを伝えれば、それも可能だったかもしれません。

例えば医療関係者、それも看護士や介護士だけを集めた試写会とか、身内の介護を経験、または現在進行中の方だけを集めた試写会とか。訴えたい人に絞った試写会などを経て劇場公開されれば、今とは違った評価が得られたかも知れません。

実際そのスタッフの方は、公開までもっと時間があったら・・・と言っておられました。

残念ながら映画はそこそこのヒット止まり。でも上映館を変えての約3ヶ月近くの興行は立派だと思います。

その後、ビデオレンタルを通じ面白さが口コミで拡がりロングランヒット、ついには別の役者と監督ではありますがTVドラマ化されるまでに至りました。

今になって考えると、桜の季節に公開できたことは、映画の中の時間を実際の時間と合わせて体感するためには、最適だったのかも知れません。

あのラストシーンは、忘れられない名シーンですから。

ここで知って頂きたいのは、劇場公開にも有る程度の運不運があるという事です。どれだけ素晴らしい作品でも、その次にかかる映画が超大作で有れば終わってしまうのです。慌ただしく劇場公開まで辿り着いてしまいましたが、その点ではこの「サトラレ」は運の良かった作品なのかも知れません。


ここからは、前回の予告に沿って話を進めたいと思います。


「サトラレ」の脚本は、戸田山雅司さんと言う方です。

劇場公開作品は、全部で5作品。その内の2作品は、本広監督と手を組んでいます。コラムを毎回読んでいる方は、もう気づかれましたよね。

本広監督デビュー作「7月7日、晴れ」に参加されているのです。

他にもTVドラマで多数の脚本を書かれています。

当初はフジテレビのドラマが多かったようですが、大河ドラマなど、今現在は他局でも面白い作品を書かれています。

観た中で言うと「ロッカーの花子さん」などは、突拍子もない設定を上手くまとめて、面白おかしく、時にシリアスに、きっちりと仕上げた作品です。

NHKで何度か再放送がされた事からも、面白かったと感じる視聴者が多かったと言えるでしょう。

映画の中では、いずれこのコラムで取り上げたいのですが「メッセンジャー」も非常に面白い作品です。

どうです?

たまには脚本家にこだわって映画を観てみるというのは?

私のコラムを読まれる方は、当然ネットで簡単に調べが付く環境ですので、探しやすいと言うわけです。

気に入った作品を見つけたら、是非一度スタッフを調べてみて下さい。

新たな出会いがあるかも知れませんよ。


次は役者です。

この映画には魅力的な役者が多数出演しています。出演シーンが少なくとも、存在感があることから「魅力的」そう言えるでしょう。

その中で、私は二人の役者に焦点を当てたいと思います。

まず一人目は、八千草薫さんです。

1931年1月生まれなので、現在74歳。とても淑やかで、歳を感じさせないしっかりとした姿勢。

おばあさん、と言うよりも、おばあさま、という言葉がピッタリと当てはまる、日本映画界の貴重な存在です。

1950年代はかなりの数の映画に出演されていました。しかし70〜90年代の出演作品は少なく、とくに90年代は引退されてしまったのでは?と勘違いしてしまうほどに少なかったのですが、2000年以降は、TV・映画共に積極的に出演されています。

余談ですが本広監督の最新作「交渉人 真下正義」にも、ほんの数シーンだけ出演されています。もちろん充分なくらいの存在感を魅せてくれます。

しかしそれだけ多数の作品に出演され、経験が豊富であるはずの役者にも、苦労はあるのです。

「サトラレ」のDVDに収録されているメイキングを観て頂くと、八千草さんがいかにこの映画で苦労をされたかが分かります。

そう、「突拍子もない設定」です。今まで経験をした事のない演技を要求されたのではないでしょうか?

監督のフォローと、自身の苦労の甲斐もあり、後半30分は特に素晴らしい演技をされています。

私のお気に入りのシーンをひとつだけ書かせて下さい。

それは・・・

術後の報告です。「大丈夫だよ」と孫に言われて納得する間もなく、聞こえてくる心の声に思わずしてしまう複雑な表情。その潤んだ瞳に、何十回と観た今でも涙が溢れます。


次は寺尾あきらさん。

年配の方には宇野重吉の息子として知られ、私たちの世代としては大ヒットを飛ばした歌手として有名です。

かつて石原軍団の一員でもありアクション色が強く感じられていましたが、今は宇野重吉さんを越えるほどの存在感を魅せつける、やはり日本映画界の貴重な存在です。

映画の主役である里見健一の上司役で、口数が少ない設定ですが、ひとつひとつの台詞に大きな意味が隠れていて、その意味を演技でさらに深いものとして表現している所などは、他の役者には決して真似出来ないでしょう。

先程書いた八千草さんの演技に似たものがあるのですが、やはり表情と瞳に涙が溢れます。

詳しいシーンはあえて書きませんが、推理してみて下さい。

ヒントは、スローモーションです。

この映画で、スローモーションになる場所は必ず主人公の心の声が強い時です。

それを頭の隅に置いて、是非探してみて下さい。


本広監督の映画には、幾つかの特徴があります。

全ての作品ではありませんが、例えば「舞台」が関わっている所などは、監督の映画を楽しむ上で重要なポイントかも知れません。

泣きと笑いの両立などは、舞台に似ているとも言えるでしょう。

「スペーストラベラーズ」や次回作「サマー・タイムマシン・ブルース」等は原作が舞台です。

「七月七日、晴れ」や「サトラレ」の脚本家戸田山雅司さんは、舞台出身です。

他にも幾つかの特徴があるのですが、私が一番気になっているのはカメラワークです。

非常に良く動き回るのです。

「サトラレ」の中でも、他の作品なら一カ所からじっと撮影して訴えるシーンでも、これでもかと言う程に動くのです。

忙しいシーンなら分かるのですが、感動を与えるシーンでも「ぐるぐる回る」のです。

しかし不思議な事に、違和感がない。むしろ、感動に輪を掛けるのです。

なぜでしょう?残念ながら私には分かりません。

偉そうに色々と書いている私ですが、もっともっと勉強しなければいけませんね。


次に・・・と続きを書きたいのですが、今回はちょっと書きすぎてしまいました。

続きはまた今度、と言う事で。

なるべく早く書きたいのですが、また1週間後ぐらいになってしまうかも知れませんね。

何せ、忙しいもので・・・


それでは、また!

2005年5月7日土曜日

サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS その1

あなたは祖父母の温もりを知っていますか?

そして祖父母は、今も健在ですか?


私は、上記がyes、下記はnoです。

なぜこんな質問をしたかというと、この映画「サトラレ」を語る上で、恐らく一番重要な意味を持っているからです。

その理由は後ほど語るとして・・・


今回のコラムはいつにも増して力を入れています。

そしてなるべく多くの事柄を伝えたいと思うので、いくつかの区切りをつけて進めたいと思います。

役者や、製作に携わる裏方の仕事、映画を盛り上げる上での重要な位置を占める音楽、そしてこの人がいなければ何もまとまらない監督、と「映画」を構成する幾つもの要素を、それぞれに焦点を当てて進めていきます。

1本のコラムでまとめ上げる事は素人の私にとっては無理に近いので、初めての事ですが、3回ほどに分けての連載となります事をご了承下さい。

まずは、どこに焦点を当てるかという事を知って頂きたいので、主立った区切りをここに記します。


突拍子もない設定


脚本 戸田山雅司

役者 八千草薫

   寺尾あきら


編集 田口拓也

撮影など

音楽 渡辺俊幸


働く男達の美しさ

監督 本広克行


もしかすると書いている内に伝えたい事が増えるかも知れません。

上記以外の区切りがあった場合は、そう言う事とご了承下さいませ。


まず今回はこの映画の主軸である「突拍子もない設定」から始めます。


喋ってもいないのに、人の声が聞こえる。

空耳を疑いますよね?

で、次に思う事は自分は超能力者ではないか?と。

空耳は有り得る事かも知れませんが、超能力というのは、ごく一般的な生活をしている私たちにはあまり縁がないというか、非現実的です。

しかしこの映画は、その非現実的な事象を、ひとつの病気の様なものとして設定しています。

「乖離性意志伝搬過剰障害」

もっともらしい名前ですが、もちろんこんな病気は存在しません。正確に言うと思っている事が他人に筒抜けに伝わってしまう人間の総称という設定ですが、分かりやすく病気という呼び方をさせて頂く事をご了承下さい。

思っている事が筒抜けであると言う事は、裏を返せば、聞きたくない事が否が応でも聞こえてしまうという事です。

映画を観る前にこの話を聞いてしまうと、「ちょっと観たくないな」と尻込みをしてしまうでしょうが、実際にご覧になってからこのコラムを読まれた方は、どう感じられましたか?

おそらく、それ程不自然には思わなかったでしょう。

この映画は、「そんな有り得ない現実」を、観ている者に不自然と感じさせない説得力と様々なテクニックを兼ね備えているのです。

もちろんこれには、どれかひとつの才能が突出してしまうとバランスを崩してその才能のみに目が行ってしまうので、難しい作業と言えるでしょう。

この辺りは以前のコラムでお話しした通り、監督の力量である、と私は思っています。

小さな嘘をきちんと積み重ねて描かれた「有り得ない現実」に、説得力を帯びるのは、良く書けた脚本であり、素晴らしい演技であり、研ぎ澄まされたカメラワークであり、無駄のない編集の賜物であるのです。

それぞれがそれぞれに最大限のテクニックを駆使した結果を、監督が上手くまとめ上げ(正確に言うと監督がそうし向ける)生まれたのが、この「サトラレ」と言う作品であるのです。

恐らく、他の監督には同じ空気を持った作品を造る事は不可能かと思います。

私が、映画監督「本広克行」を好きな理由は、そんな所にもあるのです。


さて第一回目はここで終了となります。

映画を観たあとの余韻が消えない内に続きを書く予定ではありますが、今回はちょっと更新が遅れるかも知れません。


実は今日これから、本広克行監督最新作「交渉人 真下正義」を観に行くからです。

映画館での映画断ちをしている私にとって、実に2年5ヶ月ぶりのスクリーンです。

そして自信が撮影を間近に観ているため、期待は膨らむばかりです。

いずれこの「交渉人 真下正義」のコラムも書きたいと思いますが、それはDVDが発売されるまでお待ち下さい。


なるべくすぐに第二回目のコラムを書くよう頑張りますが、しばしお待ち下さいませ。


それでは、また。