知ってはいけないものを知ってしまった時、そしてそれが死を意味する「もの」だったら?
そしてそれが次々に、予告され、息つく間もなく、あなた達に襲いかかったら?
恐いですよね。立ち向かう勇気はありますか?
この映画の主人公は、果敢にもそれに挑戦します。
「果敢」と言う表現は適当ではないのかもしれませんね。しなければ「死」を意味するのですから。
あると判っていながら、そこを避けられないのは、まさにジェットコースター!
映画の後半30分は、息つく間もないほどバタバタと襲いかかります。
監督も、出演者も、日本人にはほぼ無名と言っても過言ではないのに、これだけ楽しませてくれるのはなぜでしょう?
ひょっとすると、有名な役者が大挙して出演したら、傑作の部類に入っていたのかもしれませんね。
でもこんな考え方もあります。
「無名に近い役者だから、感情移入出来る。さえない役者が出ているから、主役が引き立つ。」
1990年代のハリウッド映画は大作趣向も頂点を極め、出演者のギャラは高騰する一方。
新人は、役者であれ、監督であれ、儲けに直結しないためか、新たな才能はあまり出てこなかったような気がします。
しかしこの作品を見てからは、その考えを改めました。
例えネームバリューがなくとも、面白いと分かるものにはお金をかけるんだな、と。
実際この映画の監督は、「X-FILES」や「ミレニアム」シリーズで脚本や監督を務めているそうです。
そこで培った知識や経験が、随所に生かされているのではないでしょうか?
何の知識もなく初めてこの映画を見た時、「X-FILES」か?と思った位ですから。
後半30分の、「予感」「幻」「風」「死の影」の出現の仕方やテンポの良さには、「X-FILES」の超常現象の影響を感じずにはいられません。
しかし残念ながらこの監督、その後は映画界では活躍されていないようで。(ジェット・リー主演で1本だけ撮ったのですが)
映画好きの人が、それぞれの評価を書き込めるサイトを見ると、この映画への悪い評価も目立ちます。
でもここが映画の面白さでもあるんですよね。
その人の心にどれだけ訴えられたかで、評価が決まる、と言うことです。
人それぞれなんですよね。
さてこの映画、あなたにとってはどんな作品でしたか?
前回の更新から1ヶ月近く経ってしまいました。「忙しい」というのは言い訳にしかなりませんが、ビデオを見る時間が取れなかったのが理由です。
そのお詫びも兼ねて、来週からはしばらくの間毎週更新を目指したいと思います。
で、せっかくサスペンススリラーを紹介したのですから、3週連続で紹介したいと思います。
・・・この寒い季節に・・・なんて言わないで下さいね。
コタツに入ってアイスを食べたりしませんか?
そんな気楽な気持ちでご覧になって下さい。
来週は、FBI捜査官が連続猟奇殺人犯に挑む映画、
「スイッチバック」
を紹介したいと思います。
主演はデニス・クエイド、ダニー・グローバー。1997年の作品です。
当時あまり注目されていない作品なので(日本では劇場未公開)、レンタル店では在庫がない場合があるかもしれません。
その時は・・・衛星放送か、中古ビデオしかないのでしょうか?
ちなみに国内ではDVD未発売です。
それでは、また。
2000年アメリカ映画 98分
監督 ジェームズ・ウォン
出演 デヴォン・サワ アリ・ラーター カー・スミス ウィリアム・スコット