2006年9月30日土曜日

デイライト

スタローンと言えば、誰もが思いつくのはアクション俳優。

そしてそのイメージが強いが為に、何かと苦労が多いのも事実。

ドラマをやっても評価されず、コメディをやっては貶されて、と散々。

独特の訛りと鼻づまりの声、筋肉隆々の体から想像する不器用なイメージが災いし、ほとんどに人に固定したイメージを植え付けてしまいます。

でも実は、自分から作品を開拓したり、脚本を書いたり、監督したり、と才能に溢れているのはこれまでの作品から見ても疑いようもない事実です。

そして私は、その悪いイメージを払拭してくれる魅力を持った3作品が特に好きで、そのうち2作品は今も時々思い出したように見ています。

1つ目は、以前のコラムで書いた「ランボー」。うちに秘めた悲しみが、淡々とした表情からにじみ出ている傑作で、アクションの仮面を冠った社会派な作品です。

そしてもうひとつの作品が、今回お贈りする「デイライト」。

この作品公開当時は、肉体的な問題もありこれが最後のアクション作品とされていました。

しかしこの映画は、パニックアクションでありながらもそこに登場する人物の背景がしっかりと生かされており、パニックドラマの位置づけが強いのです。

そう、アクションはあくまで脇役だ、と私は思います。


物語は、産廃業者の怪しげな会話から始まります。

よその州へ持ち出せばあとは知った事ではない、と取れるような会話が、嫌な予感を過らせます。

夢を追いかけてNYに来た女性は、戯曲の原稿が採用されず、恋人には妻子がいてその不倫にも終止符を打ちたいと願っていますが、追い討ちをかけるように恋人からの電話。そこから聞こえる家族の声に、怒り心頭。さらに追い討ちをかけたのは自身の住む劣悪な環境。

発作的に荷物をまとめて家を出ます。

向かった先は一つのトンネル。

いつも当たり前に使っていた、何十年も前からそこにあるトンネルでした。

そのトンネルには、これから起こる大惨事を想像さえしないであろう人々の乗る、多くの自動車が吸い込まれていきます。

娘一人と両親の家族連れ、実力と運でのし上がってきた会社経営のスポーツマン、犯罪を犯し送還中の少年少女、立派な犬を連れた一見幸せそうな老夫婦。そしてここを生業とする警備員。いつもと変わらない日常がそこにはありました。

そしてNYでは当たり前に起こるであろう一つの小さな強盗が、そこに居合わせた何百人の人生を狂わせる事となるのです・・・


この映画でのスタローンは、悩みもしますし、怖じ気づいたり、パニックを起こしそうになったりします。

過去の失敗に苦悩する姿は、それまでの「ヒーロー」ではなく、まさにごく普通の人間です。

そして主人公ではあるのですがさほど目立つ事なく、先ほど紹介した登場人物たちと同じ位置に描かれ、観客の感情移入を促しています。

パニック映画が心に残る理由の一つに、多くの登場人物の中に誰かしら自分に似た人物がいて、その人になりきったような感覚で映画を見ると言うものがあります。

その点でこの映画は、素晴らしいと思います。

登場人物は展開が分からなくなるほど多くもなく、偏りを生まないほど少なくもない。より多くの観客が感情移入しやすい環境になっているのです。

何事も成功させた運と実力の持ち主、10歳前後の少女と両親、罪を犯した不良少年少女、夢破れた女性、人生を楽しく生きているつもりがなに一つ生み出していない事に気づく警備員、心の闇を背負った老夫婦。

そして人を死なせてしまった事が今も心の傷となり苦悩する主人公。

自分自身に投影できなくても、身の回りの極親しい人に必ずいるであろう登場人物の設定が、上記の感覚を不自然な事なく観客へ植え付けるのです。

この映画の素晴らしい点はまだ他にもあります。それは物語の展開の良さです。

映画の前半は、序章、爆破の惨事、救出への決意と行動、を隙なく描き観客を一気に引き込んでくれます。

トンネルと言う密室に閉じ込められたと言う絶望感は、津波のように何度も押し寄せる障害によってさらに高まります。

トンネルの上には、零度の寒さの川。当然流れ込む水は人間の命を奪う凶器です。

限りある空間にある空気も当然限りがあり、しかし押し寄せる水は、人間の住む環境をこれでもかと狭めていきます。

ただでさえ息苦しく感じてしまうこの密室をさらに狭める危機が次々と押し寄せ、観客に休息を与えようとしません。

やがて生まれる犠牲者。物語の進行するにつれその登場人物の背景が観客にも分かっていき、その人が犠牲者になった時に、同情と言う悲しみの涙を誘うのです。

前回のコラムで紹介した「密室の中の密室」というシチュエーションが、この映画では形を変えて登場してします。

それは逃げ道の塞がれたトンネルにいくつか存在する逃げ道です。

1つ目は、無事に残るもう一方のトンネルへと通じる連絡通路。

これはあっけなく崩壊します。

2つ目は、対策中に知った情報の一つでかつての作業員たちが居住した区域の存在。犠牲者を出しながらもたどり着きますが、やがて迫りくる水に埋まっていきます。

3つ目は、その裏に隠されたもう一つの空間。

やっとの思いでたどり着きますが、そこには悲しい運命が・・・

次々に狭くなる空間は、迫りくる危機と相まって、絶望にも似た観客の気持ちを激しく揺さぶっていきます。生き延びたい!そんな気持ちさえ生まれてくるのです。


ハリウッド映画はハッピーエンドを好む。

ましてや、超一流のスターが主演なら死なない。


誰もが分かっている事実ですが、この映画には分かっていながらも引き込まれる上記のような魅力がたくさん詰まっているのです。


いかがでしたか?

密室ものとひとくくりにするにはもったいないほど、様々なバリエーションが存在する事をお分かりいただけたでしょうか?

次回のコラムは、そんな密室ものの「とりあえずの」締めくくりとして、「ショーシャンクの空に」をお贈りします。

無実の罪で刑務所に収監された男の、勇気と真実の物語です。

「こんな映画があったのか!」と感動していただけると幸いです。

ネタバレ全開で行きますので、ぜひご覧になってからこのコラムに挑んでください。


それでは、また!


1996年アメリカ映画 114分

監督 ロブ・コーエン

製作 ジョン・デイビス ジョゼフ・M・シンガー ディビッド・T・フレンドリー

脚本 レスリー・ボーエン

編集 ピーター・アマンドソン

音楽 ランディ・エデルマン

2006年9月23日土曜日

クリムゾン・タイド

いかがでしたか?2時間近い作品内で、銃撃戦や敵兵との直接対決もないのに、これだけの緊張感。

戦闘シーンと言えば、敵潜水艦との魚雷戦と、指揮権の奪い合いから起こった謀反での殴り合いくらい。

なのにこの迫力です。

私は断言します。1990年代の密室映画ナンバーワンです。

10年経った今でもその地位は揺るぎなく、何度も観て結末が分かっているにも関わらず、常に新鮮な緊張感を味あわせてくれる、極上級のアクションです。

なぜにこの映画は、そこまでの魅力を発するのでしょうか?

もちろん、主役2人の演技が最高なのは言うまでもありません。

副長を演じるデンゼルワシントンは、今でこそ映画好きの誰もが認める演技派ですが、この映画が公開された当時、映画俳優歴はまだ10年ちょっと。

一方、艦長を演じるデンゼルワシントンは、この当時既に映画俳優として30年以上も活躍し誰もが認めるベテランした。

俳優としての経歴と、役柄の経歴がだぶる設定からして、この2人の為に造られた作品と言ってもおかしくはないと思います。

その2人の演技と共に、この映画を盛り上げている重要な要素は、物語の5分の4を締める潜水艦内。

実物と見まごうほどの緊張感を生み出すセットの素晴らしさ(実際に前後左右と激しく揺れる!)もさることながら、潜水艦でなければ出来ない斬新なカメラワークも、緊張感を高める為に一役買っています。

潜水艦と言う兵器は、元々外界と隔離された密室であるにもかかわらず、この作品内では通信トラブルにより完全に遮断された状態になってしまいます。

この非常時に優先されるのは、「直近の命令」なのか、それとも「不明瞭である現時点での命令を再確認する事」、どちらなのか?


「世界が破滅するかもしれない」


法規上でも倫理上でも決着のつかない「攻撃か否か?」と言う究極の選択を迫られ、己の信念に従い行動する乗組員たちには、やがて大きな軋轢が生まれます。

この乗組員たちは、二転三転する展開をさらに重くする必要不可欠な要素です。

艦長、副長以外の乗組員は、常に命令を重視します。一度潜ると何ヶ月も海中生活を送る潜水艦内では、乗組員同士は家族以上のつながりを持っていると言えます。だから命令が軍規上誤っていても従うかもしれないと言う危険をはらんでいるのです。

この映画は、その危機を見事にえぐり出した問題作とも言えます。

劇中、艦長のこんな言葉があります。

「部下の前では、命令には従え。異を唱えれば、上官の意見が一致していない事で、乗組員たちに不安を与える」

この言葉だけで片付けられるものではないはずですが、実際の潜水艦内では、それが当たり前なのかもしれません。

長い潜水期間、一つでも大きな不安があれば、乗組員たちに与える精神的な影響は相当大きいはずですから。

しかし、それで本当に良いのでしょうか?

この映画で潜水艦アラバマの目的は、敵の先制攻撃を防ぐこと。しかし地上の様子が見えず、なおかつ、通信さえも出来ない状況になった時、艦長たった一人の人間の判断が間違っていないと、誰が言えるのでしょう?

映画のラストは、軍上層部による玉虫色の決着でした。

実際にこのようなトラブルが起きた時も、やはりこのような決着を見るでしょう。

でも私は、声を大にして言いたいのです。

この映画の中では、副長は間違っていない、と。

もちろん、ロシア軍の反乱が成功しアメリカに先制攻撃を仕掛けていたら話は別ですが、副長が起こした行動は、間違いなく国と世界を救っています。

「先制攻撃を抑える攻撃」は「先制攻撃」にもなりうる訳です。

その間違いは、正さなければなりません。

故に、攻撃されてしまうかもしれないという危険ははらんでいても、先に仕掛ける事はさけられるはずです。・・・実際に攻撃が始まってしまえば、どちらが先か?なんて意味はないかもしれませんが。

この映画の最後にある報告が載せられています。

「核攻撃の権限を潜水艦の艦長から大統領へと移行する」

映画が造られるよりも先に決まっていた事かもしれませんが、少なくともアメリカは戦争を回避する為の小さいながらも大事な選択に成功した、と言えるのではないでしょうか?

そして、私はふと思います。

先日、国連本部の会議でイラン大統領が言った言葉が、非常に気にかかっています。

「もう核兵器の時代ではない」

まさにその通りかもしれません。存在しなければ、破棄されてしまえば、「攻撃されるかもしれない」と言う危機感も生まれないし、その自衛策の為の核兵器も必要なくなるのですから。

そして、こうも思います。

核兵器を作った国は、発射されずとも重くのしかかる脅威を自ら生み出し、その恐怖におびえている、と。

私の言っている事は、ただの奇麗ごとかもしれません。

でも、少なくとも、攻撃された国だからこそ言える、大切な意見である事も確かなのではないでしょうか?


今回のコラムは短く終わります。

音楽を担当するハンス・ジマーの素晴らしい楽曲がもたらす効果等も書きたかったのですが、今回はそれ以上に大切なメッセージを伝えなければならないと思った為、短く終わる事をお許しください。

それに、作品の素晴らしさをいくら説いても、観る人の心がそれに同調していなければ駄作にもなりうる訳です。

この事実は、実生活での友との交流だけでなく、異文化や異民族が理解し合う為にも常に考えておかなければならない必要事項だと、私は思います。

時にその事実は、国益や己の命よりも大きな意味を持つ、と言う事も・・・


余談ですが、艦長の飼う犬は、別の映画でも活躍しています。その作品は何でしょう?

答えは次回お教え致しましょう。


次回は予告通り、アクションスターの代名詞であるシルベスター・スタローンが主演する、人間ドラマとアクションを織り交ぜた密室もの「デイライト」をお送りします。

既に何度もTV放映されている作品でありますし、現在1000円以下と言う低価格で発売されています。

ぜひぜひ、もう一度ご覧になってからコラムに挑んでください。

よろしくお願い致します。


それでは、また!


1995年アメリカ映画 116分

製作 ドン・シンプソン&ジェリー・ブラッカイマー

監督 トニー・スコット

脚本 マイケル・シファー

撮影 ダリウス・ウォルスキー

編集 クリス・レベンゾン

音楽 ハンス・ジマー

出演 デンゼル・ワシントン ジーン・ハックマン ジョージ・ダンザ ヴィゴ・モーテンセン 他

2006年9月16日土曜日

エグゼクティブ・デシジョン

皆さん、おはようございます、そしてこんにちは、そしてこんばんは。kiyohikoです。

最近はMUSIC ROOM以外の方にも多数ご覧いただいているようで、徐々にではありますがアクセス数ものびています。

皆様に、感謝感激です。

読んで感想を言ってくれる人がたくさん居るからこそ、このコラムを続けられると言うものです。

本当にありがとうございます。


いきなりですが、まずは訂正です。

前回のコラムで予告した際「エグゼクティブ・ディシジョン」と表記しましたが、正確には「エグゼクティブ・デシジョン」です。こちらで検索していただければ、ネット上でより多くの情報を得られると思います。

この映画は飛行中のジャンボジェットと言う密室で起こるサスペンス系アクションですが、密室ものには、限られた空間と言う制約の中で練りに練られたストーリー展開がものをいい、そのおかげで面白い作品が多いのです。特にこの作品が公開された時期には密室ものが多かったのです。

なので、次回とその次は、この時期の密室もので好きな作品を取り上げようと思っています。

次回は潜水艦の中で起こる反乱を描いた「クリムゾンタイド」、その次は事故により塞がれたトンネルと言う密室を舞台に巻き起こる数々のドラマを描いた「デイライト」をお贈り致します。

「クリムゾンタイド」は「エグゼクティブ・デシジョン」と共に、私の選ぶ1990年代の2大傑作密室パニックアクション映画です。

その後も数作品を取り上げたい予定なのですが、今はまだ吟味の途中なのでしばらくお待ちくださいませ。


さて、皆さんはこの作品をご覧になって何を感じられましたか?

冒頭の襲撃シーン以降に手に汗を握る展開を期待していた方には、前半は肩すかしにも思える部分があったと思います。

主人公がセスナ機の操縦訓練をしているシーンとか、活躍すると思っていた人物があっけなく死んだりと、意表をついていると言うよりも「ちゃんと考えて造っているの?」と疑問にも思えたかもしれませんね。

でもそれぞれにはきちんと意味があり、途中から生きてくる訳です。

セスナ機に関しては後々その意味を誰もが気づくはずですが、ラストの着陸シーンへの伏線ですよね。映画を見慣れた人に取ってこの伏線は最後の展開をバラしている感もありますが、それはそれで映画を見るよりたくさんの人への説明でもある訳で、必要なものだったと言えるでしょう。

次ですが、スチーブン・セガール演じるトラヴィス中佐の死には、誰もが驚いたでしょう。

何せ、これまで不死身で無敵を通してきたキャラクターばかり演じてきたのですから。

私の記憶する限り(2001年の作品以降は観ていないので正確ではありません)、唯一の殉職作品だったと思います。

では、その意味は何でしょう?なぜに無敵のイメージしかない役者をこの役につけたのでしょう?

これはあくまで私の推理ですが、それだけ最強のキャラクターが死んでしまうことで、観ているものにより絶望感を感じさせるのに一躍買っているのではないでしょうか?あっけなさは残るものの、進行上必要な死なのです。

ただでさえ成功の確率が低いドッキングを失敗し中佐とステルスを失ったことにより、「これは駄目かもしれない」から「もう駄目だ!」へと観客の気持ちを切り替えさせているのです。

物語の展開上でも、同様のことが言えます。

ステルス墜落で隊員全員が死んだかもしれないと、司令部は考えるようになります。

機内に残された隊員たちにも、絶望が漂っています。

そして絶望感だけではなく、それぞれのキャラクターが生きてくるきっかけにもなっているのです。

前半にはあまり力を感じなかった登場人物が、見る見るうちに頼りがいのある存在に思えてきませんでしたか?

これこそが殉職の意味であるのです。恐らくスティーブン・セガールはその意味をきちんと汲み取ったからこそ出演を決めたとも言えるのではないでしょうか?実際のところ、本人の口から語られない限り真意は分かりませんが、映画デビュー作から製作や脚本に関わり続けてきたキャリアが「そうである」と物語っていると、私は思います。

登場人物は決して多くありませんが、この映画では、あえて3人に焦点を当てたいと思います。

主人公グラントを演じているカート・ラッセルと、キャビンアテンダントを演じるハル・ベリー、そして中佐亡き後に隊員をまとめ活躍するラットを演じるジョン・レグイザモの3人です。

カート・ラッセルは皆さんご存知ですよね?

1980年代からいくつもの作品で活躍されています。代表的な作品と言えば、スタローンと共演した「デッドフォール」、消防士の話を描いた「バックドラフト」、衝撃的な近未来のニューヨークを描いた「ニューヨーク1997」などなど。知的な役から、完全なワルまで演じきる実力派です。圧倒的な存在感を出すことも、存在感を消すことも、長いキャリアで容易いことだったでしょう。この作品の前半では、たより無さげな面をうまく表現し、映画の盛り上げに貢献しています。

ハル・ベリーも、今でこそ皆さんご存知ですよね。今はちょうど、新作が公開されています。「X-MEN」の3作目で、過去2作と同じキャラクター、ストームを演じています。

黒人として初めてアカデミー主演女優賞を取られたことで一躍有名となりましたが、それ以前にもこのようなアクション映画にも出演していたのです。

大物の片鱗が、この作品で見られたでしょうか?判断は皆さんにお任せします。

さて最後ですが、ジョン・レグイザモはかなりの方がご存じないかもしれません。

なぜなら、気づかない出演方法を取っている場合が多いのです。本人はそんなことを意識しているとは思えませんが、私は敢えて彼のことを「コスプレ俳優」と呼んでいます(笑)

この「エグゼクティブ・デシジョン」では黒尽くめの特殊部隊隊員。これはまだ序の口です。

「ロミオ+ジュリエット」では、ジュリエットのいとこで派手派手な格好の敵役ティボルト。

そして、日本が誇るゲームの映画化「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」では、なんとマリオと並ぶ主人公ルイージ役!

でも目立たないんです。いや、正確に言うと、役に染まりきっているのかもしれません。

しかし、それが当てはまらない作品もあります。

ドラッグクィーンを目指す3人の珍道中「3人のエンジェル」はご存知でしょうか?オススメの作品なのですが、主人公である3人のうちの1人を演じているのに、ここでは化粧しまくりの上に女装までしているので、役者が誰か見事に分からなくなっています。

それだけではありません。

アメコミ原作の「スポーン」に至っては、完全にかぶり物をしていて、声以外のヒントは全くなしです。

敢えて何役かは記さないので、探してみてください。あまりの変わりように笑ってしまいますよ!

存在感を抑えることの出来るベテラン俳優と、まだまだ無名に近い女優、そしてコスプレ俳優。

この3人の変わりようと活躍ぶりが、「エグゼクティブ・デシジョン」の面白さの一つの要因であることは、間違いありません。


さて、この映画の面白さを際立たせているもう一つの要因は何でしょう?

私は、ジャンボジェットと言う密室の中で、さらにいくつもの密室を効果的に使っていることにあると思います。

分かりやすく説明すると・・・

極秘潜入した隊員たちは、決行の瞬間まで決して存在を知られてはいけません。なので、まるで忍者のような行動をとる訳です。

負傷を追った隊員とエンジニアは機械室に。機内の様子を探る隊員は、屋根裏と軒下に。爆弾やツールを探す隊員は、貨物室に。行き来する為にはエレベータと言う、極端に狭い密室。

どうです?

それぞれがそれぞれに「これでもか!」と言うくらい緊張感を発揮していることに気づくでしょう。

おまけに無線でつながってるとはいえ、ハイジャックされた機内はほとんど無音。いやでも小声でしゃべらなければなりません。この上ない緊張感漂うそれぞれの密室だけでなく、さらに言葉と言う「音」でも演出しているのです。

そして観客は、それに気づくことなく、どんどん引き込まれていきます。

いつしか、手に汗を握って、隊員たちの成功を祈っている訳です。

後半に起こる小さなトラブルや、緊張感を持続させる為の引っ張り方などがテンポよく続くと、観客はさらにハラハラし始めます。

そして、起爆装置の罠や、人違い、テロ首謀者まさかの逆転劇。

ラストへ向かう、たたみかけのうまさも際立っています。

グラントが操縦席に着いた頃には、あなたも完全に観客の1人、もしくは周りが見えない傍観者になりきっていたのではないでしょうか?


見事です。


その一言で締めくくれます。

私は約9年ぶりにこの作品を観たのですが、結末は分かっているのにやはり引き込まれてしまいました。

着陸のシーンでは、(当時もですが・・・)明らかにミニチュアと見えてしまいましたが、それさえ可愛く思えるほどに、引き込まれたのでした。

余談ですが、この作品が初監督作品であるスチュアート・ベアード監督は、映画編集出身だそうです。

2時間を超える作品、しかも物語の3分の2を締める密室での時間を短く感じさせるマジックは、そのキャリアが生んだのかもしれませんね。


もう一つ余談ですが、私が挙げた以外にも緊張感を感じさせる為の工夫が随所にちりばめられています。面白いと思った方は、ぜひもう一度ご覧になって探してみてください。

発見と共に、今後映画を見る上での「面白さを際立たせ感じさせるヒント」があるかもしれませんよ。

もし気づいたら、ぜひここへコメントを入れてください。

その時は熱く語りましょう!


それでは、また!


1996年アメリカ映画 133分

製作 ジョエル・シルバー

監督 スチュアート・ベアード

音楽 ジェリー・ゴールドスミス

出演 カートラッセル ハル・ベリー ジョン・レグイザモ スティーブン・セガール 他

2006年9月9日土曜日

UDON(紹介編)

あなたは故郷に思い入れがありますか?その思い入れは大きいですか?


映画界では、監督の故郷を舞台に映画を製作するのはよくあること。

監督として映画を撮り始めてからすぐに、という場合もあります。

むしろその方が多いかもしれません。

有名なのは、尾道を舞台に描く作品を多数輩出している大林宣彦監督。

今や日本を代表する監督です。

今回ご紹介する「UDON」は本広克行監督作品。

1997年の映画監督デビューからちょうど10年目で10本目の作品となります。

それまで作ってきた映画は、サトラレ等、地方が舞台になっている作品もあったのですが、どちらかというと東京近辺がほとんどであり、故郷の名前を前面に押し出して作られた映画は今回が初めてです。(サマータイムマシンブルースは撮影こそ全編香川で行われていますが、映画進行上、都市の名前は出てきません。)

そして、物語が進行する上で大切な柱となるのが、タイトルにも記されている「うどん」です。

物語の展開する場所も香川、柱も香川の主食ですし、そして脇にちょい役出ててくる人も香川出身の人を多数使うなど、まさに故郷への思い入れがいっぱい詰まった作品なのです。

主人公香介の香川へ帰ってくるまでの道のりは、故郷を出た人にありがちな設定。

このあたりも、故郷から離れて活躍する監督自身の姿を重ね合わせたのかもしれません。

他にも、父と息子の確執や、同級生たちとの友情、陰ながら支える姉弟の関係、などなど、ベタとも言える設定が多いのは、おそらく「故郷」というキーワードを念頭に置いての監督の狙いなのでは?と私は思います。

DVDが発売されるまで、ネタバレは控えることとしますが、この映画は新しいことへの挑戦をしつつも、古き時代の日本映画界への愛情と尊敬の念がひしひしと感じられます。ベタな設定もおそらく、その辺りが関係しているのではないでしょうか?


過去のコラムにも書いていますが、本広克行監督と言えば私の大好きな監督です。

その監督の新作が公開されるとなれば、当然期待も高まります。

皆さんは期待が高まると、もしギャップがあった場合にがっかりさせられることが多いのではないでしょうか?

しかし本広克行監督に関しては、今までそれがありません。

常に「観るもの」を楽しませる「遊び」をふんだんに取り入れ、常に新しい挑戦をしています。

今回の作品「UDON」には、特に「遊び」の要素が多く取り入れられています。

過去の作品とのリンクや、過去作品の出演俳優、劇中登場の小物など、実に細かなところまで手が行き届いていて、何度観ても楽しめる仕掛けになっているのです。

今回は「泣き」の要素が強いとの噂が、公開前から伝わってきていたので、私の期待は最高潮でした。

そしてもちろん、私の愛する作品「サトラレ」を超えられるかどうか?が一番の期待です。

なぜなら、音楽も「サトラレ」と同じ、渡辺俊幸さんが書かれているからです。

これはもう、期待を通り越して、「泣けないはずがない」状態です。

結果はどうだったのかは、DVD発売時にコラムに書くこととしましょう。

ちょっとだけお教えすると・・・


ラスト30分は、かなり泣かされましたよ。号泣するシーンもありました。


さて、今回のコラムのメインは「初日舞台挨拶」です。

初日舞台挨拶には大きく分けると2つのパターンがあります。

それは上映終了後のネタバレを含む形と、上映前の期待を高まらせる形、です。

そしてたいがいは時間の都合上、1回目の上映終了後と2回目の上映前に行われ、出演者への時間的負担も少なくなっています。

今回私が観たのは、有楽町の日劇2。

スクリーンの大きさと座席の多さもさることながら、邦画の初日舞台挨拶が頻繁に行われることで有名です。

TV番組内で生中継されることもあるので、皆さんも一度はご覧になったことがあるかもしれませんね。

さて、初日舞台挨拶に絶対に必要な存在として、司会者がいます。

この「UDON」はフジテレビが関わっています。よって司会者もフジテレビのアナウンサーです。

今回はなんと、映画好きで知られテンポの良いトークで有名な、笠井アナウンサーでした。

これがまた絶妙です。

観客の心を掴んでしまった、といっても過言ではありません。

まず最初は、この舞台挨拶がCSで生放送されているというお知らせ。

普通なら生放送されている旨を伝えるだけなのですが、そこは笠井アナウンサー。

後ろにカメラがあることを説明して、

「都合の悪い方は振り向かないでくださいっ」

これには観客から笑いが漏れます。

しかしそれだけでは終わりません。

「写真撮影・録音等はマスコミの方に限らせていただきます。携帯電話等での撮影はお断りさせていただきます。」

ここまでは誰でも出来る当たり前の説明ですが、そこにユーモアを交えてこう続きます。

「勢い余って私を写してしまった方、それはおまけ致します。しかし、消去しないでください。」

これには観客も大爆笑。笑顔で言われた日には、もう撮影なんてできませんよね。見事です。

ジョークまじりの挨拶もそこそこに、いよいよ監督と出演者の入場です。

以前は、観客の目に触れることなく舞台袖から登場するのが定番でしたが、最近は観客とのふれあいを重要視して、観客席の間を通っての入場ということも増えてきました。

そしてもちろん、ファンを大切にする本広監督だからこそとも言えますが、スポットライトは、観客席後方のドアを照らします。

観客は一斉に振り返り、ライトの行方を注視。

なんと、今回の私の席は通路のすぐ横!

これは間近にキャストが観られるかもしれない!!と期待したのですが、残念ながらスポットライトは、席の間を貫く2本の通路のうちのもう片方を照らしています・・・

しかしはじっこではない為に、結構近くに感じられたのは嬉しかったですね。

何よりもおかしかったのは、その出演者の中に、あの劇中に登場するヒーローが居たこと。

その名も「キャプテンUDON」。歩く姿も格好良く、舞台にあがって立つ姿勢も決め、それが逆に笑いを誘っていたのは、あまりにもアンバランスな存在だったからかも知れません。

舞台上に並んだのは、鈴木京香さんをのぞくメインキャストすべて。素晴らしい演技で知られる実力派の木場勝己さんを始め、若手の要潤さんまで、そうそうたるメンバーです。

まず最初の挨拶は本広監督から。

笠井アナウンサーに「香川の星」と紹介されて、ちょっと照れ気味のスタートです。

「ありがとうございます。」と何度も繰り返すその姿に腰の低さが伺えます。

「皆さん、楽しんでいただけましたでしょうか?」との問いかけには、観客から満場の拍手。

ちょっと表情を緩めながら、舞台に立つ本音を語ってくれました。

「この拍手を聞きたくてドキドキしながらここに立つんですが・・・」

全身全霊を傾けて撮った作品です。そのドキドキは計り知れないんでしょうね。

「これだけ拍手があると、安心です。」

観客と監督の思いが通じた瞬間です。

舞台の上に立つ身ではない私には、監督がどのような顔を見たのかわかりませんが、きっとそこはたくさんの笑顔であふれていたのでしょうね。

再び「ありがとうございます。」を繰り返す監督。そして次へのバトンタッチです。

笠井アナウンサーの「いつもはちゃらんぽらんに見えますが、今回は・・・」と言っている裏で、何やら舞台上では変な動きが。

そう、ユースケさんと小日向さんが、笑顔でお互いを手で指し譲り合っているのです。

その仕草に、観客は拍手をしながら爆笑モード。

さらに、名前を呼ばれて驚くわざとらしさに、観客の笑いは高まります。

ユースケさんと言えば、自己紹介が嘘ばかりで支離滅裂。でも許せてしまうのが特徴。

もちろん今回もやってくれました。

「呑んでもないのにベロンベロン。ミスターボディートーク、元ピチカート5のユースケサンタマリアです。」

言葉の区切り区切りに、みな爆笑。続いて拍手の嵐が巻き起こります。

映画を観ていない人にはわかりませんが、ユースケさんの演技で泣いていた人も結構居た証拠ですね。

私もその演技には納得です。惜しみない拍手を送りました。

でも、その感動を続けさせないのが、ユースケさんの素晴らしいところ(笑)

「本日は、バケツをひっくり返したような土砂降りの雨の中・・・」

またしても爆笑です。雨は全く降っていませんからね。しかもこの挨拶は過去にも使用済み。それでも笑いを誘うところはさすがです。

「マリオンまできていただき、本当に・・・ありとぅっす!」

この言葉には、観客は退いてしまいました。

でもフォローがしっかりしています。

「だんだん拍手が中途半端になってしまいましたが・・・」などと言って、またしても笑いを取ります。しかも横では監督が体を揺らして大笑い。身内までも笑わせてしまうほどの魅力があるのですね。

その後はまじめに心境を語りつつも笑いも忘れず言葉が続き、「本日は、ありがとうございましたっ!」と威勢の良いお礼で終わりました。

場内は満場の拍手。もちろん私も手を上に上げて拍手しました。

続いてはヒロインの登場。小西真奈美さんです。

ひょこっとする挨拶も可愛かったのですが、笑顔が素敵ですね。こちらまで幸せになれそうな気のする笑顔です。

「楽しい時間を過ごしていただけたでしょうか?」の言葉に観客はすぐに反応、拍手の嵐です。それには小西さんも相当嬉しかったようで、「ありがとうございます」の言葉とともに会釈しながら、笑顔がまたしてもこぼれます。

ちょっと上擦った声で、「初日を迎えるのを本当に楽しみにしていまして・・・」と言ったその言葉に、喜びがいかに大きかったかが感じられました。

小西さんの挨拶終了後に笠井アナウンサーの振りで、ユースケさんと小西さんの掛け合いがあったのですが、そこは時間を仕切るアナウンサーの役目を忘れてはいません。「小西さんに聞いているんです。」との言葉に場内は爆笑でした。ちょっと分の悪そうなユースケさんのはにかんだ笑顔がまた印象的でもありました。もちろん笠井アナウンサーは、フォローも忘れません。ユースケさんの滑ったギャグ「ありとぅっす!」を最後にきちんと付け加えて、笑いを取ったまま次へとつなぎます。

次は主人公の義理の兄を演じた、小日向文世さん。

柔らかい笑顔とおっとりした雰囲気が印象的な役者さんですが、トークはいきなり突っ走ります。

映画のスタッフとは、初日舞台挨拶で会うのがほとんど最後になると言う前置きを付け加えて「今日は、鈴木京香さんにサインを貰おうと思ってきたんですけど・・・」と言った後には笑いが起こります。

あまり冗談を言わない印象が強かったせいかもしれませんが、私にはこの言葉がつぼでした。

鈴木京香さんからメールで頼まれた挨拶を代弁し、隣のユースケさんが驚いて小日向さんを見つめると、互いに見つめ合い「ははっ!」と大きな声で笑う様子など、優しくて面白い人柄の感じられる挨拶でした。

次は編集長役の升毅(ます たけし)さん。

名前を聞いてもご存じない方が多いかもしれませんが、升さんは演劇出身。自身の劇団を持っていたこともある実力派であり、本広監督の映画にはこれで3本目の出演となります。

舞台で鍛えた腕なのでしょうか、絶妙なトークに観客全員が魅了され、笑いもあり、特に「(U)売り方が、(D)ダイナミックで、(O)おいしさ、(N)何じゃこりゃ?」と熱弁した瞬間には、この舞台挨拶一番の爆笑と拍手が巻き起こりました。

締めも静かに笑いを誘い、次は副編集長役の片桐仁さん。

この片桐さんも舞台を中心に活躍し(ラーメンズと言うユニット)、しかも笑いを大切にしているようで、一見滑っている様に聞こえる挨拶も実は、きちんと笑いで締めているのです。

のっけからユースケさんの滑った挨拶「ありとぅっす!」でシーンとさせ、埼玉出身なのに「香川の星です。」と嘘を言ってみたり、その嘘の言い訳で「初日で盛り上がっているから何を言ってもウケると聞いたのに・・・」としょげてみせたり、仕舞には「僕、出てましたよぉ」と戯けてみたり。ボディーブローのようにジワジワと効いてくる笑いで観客を魅了していました。

もちろん締めは「ありとぅっす!」

最後は笑いの嵐です。

続いては要潤さん。

笠井アナウンサーの「もうひとりの香川の星」と言う紹介を切り返すかのように、「香川県の昇り龍」と自ら紹介し、とても笑いとは縁がないように思える風貌なのに、立派に笑いを誘っていました。

その後はまじめに挨拶をしたかと思ったら急に「別に言うこともないんですが・・・」と言ってまた笑いを誘い、そこから話は脱線。「映画を見て気に入ったら、香川へ旅行してお金を落としていってください」とか、「近所にコンビニが一件でも増えるように」等、結局他の方と同じように笑いを誘う挨拶に終始してしまいました。

ここでユースケさんがコンビニ話で脱線したのですが、それには敢えて触れないでおきましょう(笑)

そして要さんの締めも「ありとぅっす!」

だんだん、笑いが大きくなっていきます。

役者陣最後の挨拶は、この映画で最も重要な主人公の父役を演じた、木場勝己さんです。

木場さんと言えば、金八先生の第5・6シリーズでの校長先生役が有名です。

怖い印象が強いのですが、実は大変に優しい方のようで、その人柄の感じられる素晴らしい挨拶に、私も含め観客はすべて聞き入っている様子でした。

「仕事の関係で試写に行けず、今日初めて見たのですが、落涙でした。」

その言葉に、こちらも感動してしまうほどでした。

その後も、子供の頃父親と見に行った映画での父の涙の話など、挨拶を締めるにふさわしい素晴らしい話が続きました。

しかしやはり、本広監督とスタッフの笑いの絶えない現場が影響したのでしょうか、最後はまじめに語っているのに笑いを誘う結果となってしまいました。

でも木場さんは柔らかな笑顔で「よろしくお願い致します」と頭を下げるのを観ていると、やはり笑いを意識していたのかな?と言う気にもなりました。

さて、楽しい時間もこれで終わり・・・と思いきや、ここで笠井アナウンサーから衝撃(笑劇?)の発言が!

しゃべるはずのないキャプテンUDONを紹介したではないですか!

どうする気なのでしょう?

でもそこはやはり考えているのですね。キャプテンUDONはポーズを格好良く決めていました。

しかし笠井アナウンサーの思っていたほどの笑いが起きなかったのか、最後はユースケさんの言葉で締めることとなりました。

さぁ、どうする?ミスターボディートーク!!

突然マイクをヒップホップ持ちに変え、

「締めるったらあれしかないっ!」

私は、まさか?と思いました。何度かテレビで紹介されているあれです。

以前は滑ったと本人も口にしましたが、今回も勇気を持ってやるようです。

継続は笑いにつながりますし、長い時間をかけた2段ボケ、3段ボケと思えば許せるでしょう。

「三本締めでっ!」

やっちゃいました(笑)

予感的中です。

でもそこはさすがにそれぞれのファンが集まる場所、見事に3本締めが決まり、フラッシュの嵐で挨拶は終了となりました。

もちろん、最後は「ありとぅっす!」の連呼。

もう、誰も退いていませんでした。さすがです。


ここで終わる舞台挨拶もあるのですが、そこはフジテレビ製作の映画。

このあと、入場時に配られたドンブリとお箸を小道具に、出演者とのフォトセッション。

ユースケさんはここでも観客を笑わせていました。

この写真と映像が、翌日の新聞やテレビを飾ることとなったのです。

そしてこの映像は・・・

秘密にしておきましょう。いずれ分かるかも・・・しれません。

そうそう、すべての終了後に笠井アナウンサーの撮影秘話(実は出演しています)もあり、最後の最後まで笑いの絶えない挨拶でした。

そんな笠井アナウンサーの最後の言葉は、

「うどんでドンドン元気になぁれ!」

ユースケさんの得意な挨拶の代弁でした。


いかがでしたか?

一度も初日舞台挨拶に行ったことのない方も、ちょっとは行きたい気持ちになりましたか?

そうなっていただければ幸いです。


さて、来週のコラムはガラッと変わってアクション映画をお贈りします。


カートラッセル主演「エグゼクティブ・ディシジョン」


神経ガスを持ったテロリストに乗っ取られたジャンボと、それを救出するべく決死の潜入をはかる特殊部隊隊員の緊張感高まるアクション映画です。

既に何度かテレビでも放映されていますし、当時ビデオは大ヒットしていますので、ご覧になった方も多いかと思います。

久しぶりにネタバレ全開で行きますので、ぜひぜひご覧になってからコラムに挑んでくださいませ。


それでは、また!


2006年日本映画 134分

監督   本広克行

製作   亀山千広

脚本   戸田山雅司

美術   相馬直樹

装飾   田中宏

照明   加瀬弘行

録音   伊藤裕規

編集   田口拓也

撮影   佐光朗

音楽   渡辺俊幸

参考文献 「恐るべきさぬきうどん」麺通団

出演   ユースケ・サンタマリア 小西真奈美 トータス松本 鈴木京香 升毅 片岡仁 要潤 小日向文世 木場勝己 他