2006年5月13日土曜日

極私的ロケ地の旅

今年の春は、冬同様寒いですね。晴れ間も少なく、お出かけに最適な季節が勿体なく感じます。


さて今回はロケ地の旅についてのコラムです。

今まで以上にプライベートな内容ですが、私という人間を形成する「映画」との関わりだと思って、どうかお許し下さい。


映画好きな人たちは、いつからか憧れの映画のロケ地を訪れるようになりました。

その数は今や観光業界を動かす程に増え、それに関連して各都道府県や市町村も、フィルムコミッションに積極的になってきました。

フィルムコミッションはまた別の機会に述べるとして、映画のロケ地は「旅」のひとつの選択肢にまで発展したのです。


私の生まれ故郷は、千葉県銚子市。

三方を水に囲まれ、皆さんの中には漁港の町というイメージが強いことでしょう。

実際に町の観光を支えているひとつは漁港に関するものであり、それに付随してその他の観光施設に人が集まっていると言えます。

しかしその流れに新たな波が加わる転機が訪れます。

とあるドラマの舞台として使われたのです。

「澪つくし」

沢口靖子さん主演で、NHK朝の連続テレビ小説。半年間に渡る放送で、銚子市はロケ地のひとつとして脚光を浴びることとなります。

この流れは、人口減少に悩む町の起爆剤のひとつとなりました。

それまで寂れた雰囲気しか漂わなかった銚子電鉄の車両は綺麗な色で塗り直され、夏場は窓を取り払った展望車両が現在でも運行されています。

その転機以降、銚子市は観光に力を入れるようになったと言っても過言ではないでしょう。

一度は閉鎖された展望館を、新たに「地球の丸く見える丘展望館」として建て直したり、漁港の増設に伴い隣接した敷地にタワーを建設、観光みやげなどを一手に集めた「ウォッセ21」を併設など、様々な施設が造られました。

老朽化した駅舎を建て替え、駅前通は「海の街」を訪れる人に、より味わって貰う為の工夫をこらすなど、町作りにも大きな影響を与えています。

今現在銚子市は、東京に近く天候も良い地の利を生かして、「銚子フィルムコミッション」を立ち上げて、積極的にTVや映画のロケを誘致しています。

それ程までに、ロケが行われるというのは大きな影響があると言うことです。

前回のコラムで取り上げた「さびしんぼう」の舞台である尾道に憧れていたひとつの理由は、故郷がどこか似ていると言うことも関係しているかも知れません。


さて私が、ロケ地を初めて訪れたのは、ちょうど1990年代に切り替わる頃。

知り合いと共に、バイクで房総半島一周をしている時でした。

そう「偶然」なのです。

千葉県館山市の国道を走っていたのですが、駅前の渋滞を避ける為に別の道へ抜けたことが切っ掛けとなりました。

そのロケ地には現在別の建物が建ち、当時の面影は川縁と川に架かる橋くらいですが、今でもそこを訪れるたびにその時の衝撃と感動が甦ります。

作品名は「ぼくらの七日間戦争」。少年達が立てこもった廃工場として登場し、劇中そのままの迷彩色で塗られた外観。元はボーリング場だったそうです。

それからというもの、房総に行く時は必ずその横を通っていましたが、私がバイクからしばらく離れた時期に取り壊されてしまったようです。

残念ながら写真を撮っていないのでお見せすることは出来ませんが、映画を観て頂ければどのような建物かは分かりますので、お時間のある時にでも是非ご覧下さい。今から18年前の作品です。


先程「バイクからしばらく離れた」とありますが、この時期私はバイク以外のことに一生懸命でした。

そしてしばらくの間、「ロケ地を訪れる快感」を忘れていたのです。

でも、いつかは尾道へ!と心の中では思い続けていました。

やがてレンタルビデオ店で働くこととなり、いつしか店長へ。休みの間も映画三昧の日々。

それが2002年、突然終止符を打つことになります。

やめたことに伴う不安や悩みから解放されるひとつの選択肢として、「バイクで旅をすること」を思い出すのです。

初めはただ、風を感じ無になるのが目的でした。

いつしかその目的には理由がつき、大好きな映画のロケ地を探そうとなったわけです。

残念ながら最初に探そうと思った場所は見つからず。

その年の秋、念願だった尾道行きを本気で検討し始めます。

2泊3日でも強行軍となる尾道は、仕事をしていない今でなければ無理だろう、そう思ってのことでした。

残念ながら、出発前日台風に見舞われ、実現には至りませんでした。


やがて私は仕事をしないまま年を越します。

1月が終わる頃、別の映画のロケ地をふと思い出し、突然に訪れることとなります。

その映画は「秋桜」。私の中では邦画BEST5に入る傑作ですが、残念ながら知名度は低く現在ビデオは入手不可能となっています。

この映画が撮影されたのは福島県安達郡本宮町。

全く名前を知られていない町ですが、実は何処よりも早く映画と地元住人の関わりを大切にした町なのです。

「秋桜」と言う映画は、その完成型とでも言えるでしょう。

冬だった為に車で訪れたのですが、次々に現れる「観たことのある場所」に興奮したこと今でも思い出します。

そしてその帰り道、映画「はつ恋」でストーリー展開の重要な要となる「願いの桜」(劇中での名前)を見つけました。この桜は、私のもう一つの旅「桜の旅」の原点とも言えるのですが、この旅については「きまぐれ写真館」をご覧になって下さい。

一度の旅でうけた沢山の衝撃。これが私の「ロケ地の旅」の原点です。


それ以降は特に好きな映画のロケ地を探し、歩きました。

好きだった人と一緒に行くと誓っていた場所、郡上八幡もその一つ。

以前コラムで3回に渡って取り上げた「サトラレ」の主なロケ地です。

この旅は感慨深いものとなりました。

劇中ラストシーンで見せた満開の桜。それに涙した方も多いと思います。

あいにくの大雨でしたが、満開の桜は私に大きな感動と勇気を与えてくれました。


その年の暮れ、それまでの行き詰まった人生を変えるべく、西日本最南端の旅に出て憧れの尾道をついに訪れることになるのですが、実はこの旅でもう一つのロケ地を、しかも偶然に発見することとなりました。

残念ながら映画は未見ですが、あの名曲の映画化「なごり雪」です。古びた駅舎が印象的でバイクを停めたのですが、実はその駅のホームが、ロケに使われたのです。

もう一つの偶然、「さびしんぼう」の大林監督の映画だったと言うことも、運命と感じられて仕方がありません。

この旅の詳細に関しては、詳しくは「ひたすら3800キロ」をご覧下さい。

その後は「桜の旅」に集中し「ロケ地の旅」は無かったのですが、2004年「交渉人真下正義」のエキストラに参加してからは再びロケ地への血が騒ぎ始めました。

今年の私の旅は充実したものが続いています。

以前あれだけ探して見つからなかった「河童」のロケ地、「交渉人真下正義」でのかなりマニアックなロケ地、そして2005〜6年を代表する邦画「Always3丁目の夕日」のロケ地等々。

いつしか効率良く探せるようにもなっていました。

それはひとえにネットでの情報収集のおかげです。

マニアックなロケ地も、先述した各地のフィルムコミッション公式HPを探せばヒントが見つかります。

そのヒントを元に、さらにネットで検索を重ねると、意外にも簡単にロケ地が見つかるものなのです。

有名な映画であればある程、簡単だと言えるでしょう。


どうです?あなたの「旅」の選択肢として、ロケ地を訪れるというのは?

「旅」で無くてもいいかも知れません。

実は知らないだけで、地元で撮影されている作品も多いはずですから。

まずはそこから感動を味わってください。きっとそれからでも遅くはないです。


ちなみに私が現在住んでいる鹿嶋近郊では、鹿嶋開発が行われた頃から沢山の映画が撮影に訪れています。

「さらば愛しき大地」、石原プロの映画数本、「シャコタンブギ」、オリジナルビデオですが「プロミスリング」、最近では「夜のピクニック」等々。

同じく銚子でも撮影が多々行われています。

TVのサスペンスものでの断崖絶壁シーンなどは、ひとつの定番とも言えるかも知れませんね。

以前コラムで取り上げた「ジュブナイル」もそうですし、同じ山崎貴監督の「リターナー」でも飯岡灯台や波崎地区の風車など、数えだしたらきりがありません。


どうです?探してみたい気になりませんか?


さてここしばらく邦画が続いていたので、次回のコラムは久し振りに洋画をお届けしようかと思います。

出会って以来愛し続けている映画であり、名画を選ぶと必ず上位にその名を見せる、

「ニューシネマパラダイス」

をお贈り致します。

完全版を元にコラムを薦めますが、その以前に上映・発売された版との違いなども述べていきたいと思います。

いつになく”熱く””長い”コラムになるかも知れませんが、それも愛情の表れとお許し下さいませ。


それでは、また!

0 件のコメント:

コメントを投稿